星の画像処理(その2)

R64画像を使った画像処理

赤い星雲を強調することができます


処理画像の例

通常画像(RGB画像)とR64フィルターで撮った画像(R64画像)を2枚ずつ準備します

変更前(RGB画像×2枚)

変更前(R64画像×2枚)

こちらはR64フィルターをつけて撮影した画像です

バラ星雲が見えます


変更後の画像




まーさん流 画像処理の流れ

(画像処理ソフト「PhotoShop Elements」を使用)

(1)ダーク処理

(2)加算平均合成

(3)RGBとR64画像の統合

(4)コントラスト調整

(5)トーンカーブ調整


(6)背景のレベル調整





(1)ダーク処理

ダーク画像と撮影画像を「減算処理」します

(カメラの固定のノイズを除去します)

「ダーク画像」を各画像にコピーします



「差の絶対値」にして「不透明度50%」にします



レイヤーの「画像を統合」で2枚を統合します

これをRGB画像×2枚、R64画像×2枚のすべてに行います


(2)加算平均合成

RGB画像とR64画像をそれぞれを加算平均合成します

RGB画像×2→RGB画像(加算平均)

R64画像×2→R64画像(加算平均)

@RGB画像の加算平均合成

RGB画像2枚からRGB画像を加算平均合成したものを作ります

RGB画像1を2にコピーします



2枚の位置を合わせます

「差の絶対値」を選びます

画面表示サイズも「1:1」を選びます



「イメージ」→「回転」→「レイヤーを自由に回転」で2枚の画像の位置を合わせます

星が2重に見えていますので1つになるように「矢印」で位置を変更します



2枚の画像を加算平均合成します

「通常」、「不透明度50%」にして、「レイヤー」→「画像を統合」します



AR64画像の加算平均合成


R64画像についても同様に2枚を加算平均した画像を作ります

(手順はRGB画像と同じです)


(3)RGBとR64画像の統合

@RGB画像とR64画像の位置を合わせ

RGB画像にR64画像をコピーします



RGB画像にR64画像の位置を合わせます

「差の絶対値」を選びます



画像を位置を合わせます

「イメージ」→「回転」→「レイヤーを自由に回転」



R64画像を「矢印」で動かして、星の位置を重ねます

(緑色に見える点がR64の星です)



ARGB画像の色のレベルを合わせ

IR改造カメラで撮影した画像はR(レッド)が強めに出ますので

この時点でR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)のレベルを合わせます

(改造なしのカメラではバランスは崩れていないので多分この処理は不要ですが

RGBの全体で中央にレベルを合わせる必要があります)



RGB画像を選び、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)のレベルを中央に合わせます

「画像調整」→「ライティング」→「レベル調整」



R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各色毎に行います

「チャンネル」で「色」を選択します(例えばグリーン)

「入力レベル」の中央のバーを山のセンターに持って行きます

グリーンのレベルがセンターに補正されます

これをレッドとブルーに対しても行います



R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)のレベルを中央の合わせた画像

色バランスの取れた画像になります



BR64画像の色のレベルを合わせ

次にR64画像のR(レッド)のレベルを中央合わせます


レイヤーでR64画像を選択します

レベル補正画面を出します(「画像調整」→「ライティング」→「レベル調整」)



「チャンネル」で「レッド」を選択します

「入力レベル」の中央のバーを山のセンターに持って行きます

レッドのレベルがセンターに補正されます

(ブルーとグリーンは調整しません)



CR64画像の星を消します

R64画像をそのままRGB画像と明暗比較合成すると星も赤くなるので以下の処理を行います

「フィルター」→「その他」→「明るさの最小値」

最小値「1」を選びます



星が消えた画像を作ることができます

赤い星雲があるところはより赤くなっています



DRGB画像とR64画像の合成

RGB画像にR64画像を明暗比較合成します


R64画像に対して「比較(明)」を選択します

RGB画像に対してR64画像の明るい部分のみが追加され表示されます




そのままではあまり赤い部分が強調されないので

R64画像の「コントラスト」を調整します(例では50としています)




R64画像の「コントラスト」50で3回強調してレイヤーを統合した画像

バラ星雲とバーナードループの赤色が見えるようになりました^^



(4)コントラスト調整
ここから先は通常の強調処理と同じです

まずはコントラスで強調します

「レイヤー」→「レイヤー複写」

「コントラスト」20で強調

「レイヤー」→「レイヤーの統合」

以上を3回繰り返します



(5)トーンカーブ調整


コントラストを更に強調します

レイヤーを複写します

トーンカーブを立ち上げます



強調したいレベルのポイントを確認する

バラ星雲より薄い『バーナードループ』も強調したので

画像の『バーナードループ』の部分にカーソルを置きクリックします

するとトーンカーブに丸いポイントが付きます

このポイントを中心に「S字」カーブで強調します




中央のポイントの上をつかみ上に調整します

(より明るく調整します)


中央のポイントより下をつかみ下に調整します

(より暗く調整します)

画像を統合します(オリジナル画像とトーンカーブで強調した画像)

「レイヤー」→「レイヤーの統合」




(6)背景のレベル調整

@RGBの色のレベルを整えます

(色合いに問題がなければAに飛ばしてください)

ヒストグラムを見るとレッドに比べてグリーンとブルーの幅が狭くなっています

グリーンとブルーについて幅を広くします



グリーンを選択します

「入力レベル」の左のバーを230にします

中央のバーをセンターに来るように調整します




Aレベル補正

レベル補正で下のバーをヒストグラムのぎりぎり下まで移動します

すると星はそのままで背景だけが暗くなります



更に背景を暗くします

レベル補正で中央のバーを0.90に調整します

更に背景が暗くなります



画面全体の暗さを整えます

トーンカーブを立ち上げて最後の調整を行います

変更したくない『バーナードループ』の部分にカーソルを置いて

固定のポイント決めます

固定より下の部分を下にします

更にトーンカーブの左下のポイントを少し上にします

(四隅があまり暗くなりません)

固定ポイントより上は少し上に移動して強調を維持します


以上で完成です

完成した画像です

星の色は維持しつつ、赤い星雲の部分のみを強調することができます















 by まーさん&こざる隊員