自作赤道儀Ver2のピリオディックモーション測定
12分×3(赤道儀)と10秒(固定)の星の軌跡
300mmレンズで撮影
自作赤道儀Ver2のピリオディックモーション(周期誤差)を測定してみました
横の小さな線が10秒間、固定で撮影した星の軌跡です
24時間(1440分)で地球は1回転(360度)するので10秒間で星は150秒角の移動となります
上から下の軌跡は12分を3本ならべた星の軌跡です
極軸を西に約30度ずらして撮影することにより
軌跡を上から下(北から南)に移動させながら
左右の蛇行を撮影することができます
この軌跡の左右の揺れが赤道儀の回転方向の周期誤差を示しています
自作赤道儀Ver2のウォームギアは歯数120なので
12分でウォームが1回転します
ウォーム1回転で周期的な蛇行が発生していることがわかります
12分×3(赤道儀)と10秒(固定)の星の軌跡
軌跡の一つを拡大しました
上の横の星の軌跡が150秒角です
蛇行の幅がほぼ同じくらいありますので約150秒角となります
星の撮影には±30秒角(60秒角)以下が望ましいようです
自作赤道儀Ver2
ウォームホイールの回転方向の加重をウォームが受け、ウォームのシャフトを通して固定用ブラケットが受けています
ウォーム部
ウォームのシャフトを2個のカラーで両側から固定用ブラケット挟んでシャフトの軸方向の動きを固定しています
シャフトの回転が渋くならないぎりぎりの隙として
シャフト固定用カラーとブラケットを約0.1mm隙になるようにセッティングしています
ウォームホイール(Φ123mm)1山が約3mmで10800秒角なので0.1mmの隙で360秒角の影響がある計算となります
ばらつき対策 その1
ウォームギアタイプの赤道儀のばらつきの原因を調べてみました
ウォームの取り付け部の強度、精度によるものが考えられます
ウォームホイル1山分の移動で3度(=10800秒角)の位置のずれ量となります
ウォーム部の精度は直接影響してきます
ウォーム部
ウォームのシャフトの軸方向の動きを少なくする為に2個のカラーの固定に加え
ウォームの位置を変更して固定用ブラケットに0.1隙でカラーとウォームで挟むようにしてみました
これにより加重の分散(右からの加重2ヶ所受け)と接触面の形状の影響(穴あけ時のかえり等)が低減できると考えます
12分×3(赤道儀)と10秒(固定)の星の軌跡
300mmレンズ、トリミング有り
軌跡の振れ幅を100秒角ぐらいには改善できました
一番左の軌跡はかなりいいです^^
ばらつき対策 その2
ウォーム部
ウォームのシャフトの軸方向の動きを更に少なくする為に
スラストベアリングを3セット組み込んでみました
スラストベアリング
自作赤道儀Ver2
12分×2(赤道儀)の星の軌跡
300mmレンズ、トリミング有り
軌跡の振れ幅は80秒角ぐらいですね^^
(対策1とあまり変化ないです)
北アメリカ星雲(自作赤道儀Ver2使用)
90mm×1.4、Kiss D X2(IR改造)、CLSフィルター、画像処理
RGB画像:F4.5、ISO800、露出時間120秒×4
ギアの遊びを吸収するまで少し時間(1分ぐらい)がかかりますが
ギアの当たりが安定してくれば126mmで120秒の撮影も可能です
ばらつき対策 その3
スラストベアリング
内径40mm、外径60mm、厚み13mmのスラストベアリングです
ウォームホイール部の加重を受けます
ウォームホイール部
ウォームホイールにスラストベアリングを組みつけました
ホイールのブロックの径は40mmなのですが
H7加工等してある部位ではないのでベアリングがそのままでは入りませんでした
やすりで30分ぐらい外径を削りました^^
12分×1(赤道儀)の星の軌跡
300mmレンズ、トリミング有り
軌跡の振れ幅は70秒角ぐらいでしょうか^^
最初の軌跡よりはかなり改善することができました
by まーさん&こざる隊員